お坊さんが普段どういった生活を送っているかはなんとなく想像付くけど、その奥さんはどんな生活を送っているのか?を知っている人は少ないんじゃないでしょうか。
お坊さんの世界自体なかなか世間から見ることができません。なおさら、お坊さんの奥さんの生活って見えにくいと思います。
僕は幸いにも僧侶の友人が何名かいますので、実際に彼らの奥さんがどのような生活を送っているのか伺ってみました。
本記事では、そんな僧侶のお嫁さんたちの生活を少しご紹介させていただきます。
もしかしたら将来お坊さんの奥さんになるかも??という人がいれば参考にしてみてください。
- お坊さんの奥さんがどんな生活をしているのか知りたい
- お坊さんの奥さんの1日のスケジュールが知りたい
- お坊さんの奥さんの生活って大変?
お坊さんの奥さんはどんな生活をしている?
最初に注意点ですが、お寺の規模や場所がどこなのか、兼業なのか専業なのか、旦那が住職か住職ではないか、役僧(雇われ僧侶)がいるかどうか、親と同居かどうかによって奥さんの生活スタイルは大きく変わってきます。
お坊さんの奥さんの呼び名
お坊さんの奥さんのことを、仏教の世界では「坊守(ぼうもり)」と呼ぶらしいです。
昔は坊守は女性だけだったらしいのですが、今は女性で住職の方もいるので、その旦那さんも「坊守」と呼ぶそうです。
どっちにしてもお寺を守るのは住職の仕事じゃない?と思われるかもしれません。
しかしお寺の住職は、通夜や葬儀であったり、日々のお参りであったり、研修会であったりと意外とお寺を留守にしていることが多いのです。
住職が留守の間、お寺を守る役割をしているのが奥さんということで住職の奥さんを坊守と呼んでいるわけです。
また、お寺に併設されている家族用の住居のことを「庫裏(くり)」と呼びます。なので、奥さんのことを親しみを込めて「お庫裏さん」と呼ぶこともあります。
実際、僕が友人のお寺を訪問させていただいた際は、「お庫裏さんいるかー?」と尋ねてこられた信者さんを見たことがあります。
また、住職の息子さんに嫁いだ場合、息子さんは「若(わか)」、その奥さんは「若坊守(わかぼうもり)」と呼ばれるのが普通です。
必ず同居しなければいけないのか?

お坊さんと結婚すると、最初からずっとお寺に住まないといけないと思っている人も多いんじゃないでしょうか。
確かに、昔はお寺に二世帯〜三世帯で住むことが多かったようですが、今現在はすぐには同居しない人も多いらしいです。
なぜかと言うと、初婚するくらいの年齢であれば、大抵まだお相手のお父さんが住職をやっていることがほとんどだからです。
実際僕の一緒に大学を卒業した僕の友人の僧侶も、既に住職という人は1人くらいしかいません。これは聞いた話ですが、大体30代〜40代くらいにならないと住職になることは稀なようです。
さらに小さいお寺の場合、まだ住職じゃない息子の方は一般企業に勤めているということも結構多いのです。
なぜなら、お寺の仕事だけでは生活していけないお寺が多いからです。だから兼業をしているというお寺は世間の人が思っているより非常に多いです。
なので、若い頃は夫婦の時間や今の仕事を大事にしなさいと、お寺の近くに賃貸住宅を借りたりするパターンが結構あったりします。
普段は賃貸住宅で暮らし、お寺の行事がある時だけお寺に行くという感じで生活している若夫婦も友人にたくさんいます。
僕の友人の一番すごいパターンが、信者さんから使っていない一戸建てをプレゼントされたという人もいたので驚きです。(その人は大きなお寺の若さんですが・・・。)
もちろん、ゆくゆくは住職を継ぎ、お寺に住むことになるようですが、最初からずっと同居しなければならないということではありません。
お寺に住むというのは、一般の人からしてみれば全く想像できないことだと思います。だからこそ最初は同居せず少しずつ慣れていってもらうというお寺が増えてきているのだと思います。
お坊さんの奥さんの1日のスケジュール

それでは、実際に友人のお坊さんの奥さんの1日のタイムスケジュールをご紹介します。
本記事では大まかに3例ご紹介しますので、参考にしてみてください。
A子さんの場合
・年齢は、両方とも30代
・結婚6年目
・お寺で親と同居
・旦那さんは住職ではないが、比較的忙しいお寺
・兼業はしておらず、お寺に専念している
・奥さんも嫁いだ後僧籍を取得
時間 | 予定 |
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5:00 | 起床後、朝の鐘付き |
6:00 | 家族揃って朝の勤行後、 仏様へご飯のお供え |
7:00 | 朝食 |
8:00 | 住職や夫の法衣の準備 |
9:00 〜 11:00 | 一般的な家事 境内の草むしり 来客対応・電話対応 昼食の準備など |
12:00 | 昼食 |
13:00 〜 16:00 | 来客対応・電話対応 仏花立て 趣味のガーデニングなど |
16:00 | お布施や支出の帳簿記帳 |
17:00 | 夕食の準備 |
18:00 | 夕食 |
19:00 〜 21:00 | 次の日の準備 自由時間 電話対応 |
22:00 | 就寝 |
A子さんが嫁いだお寺は、比較的大きく、専業でもやっていけるお寺です。
専業でやっていけるお寺というのは今は珍しく全体の1割くらい。
その分、お寺の業務としてはやることが多く、奥さんの仕事も多いです。
特に、信者さんが「野菜持ってきたで〜」と突然来客することや、葬儀の電話が入ったりすることも多いので、なかなか休みがないとおっしゃっていました。
極端な例ですが、葬儀などの電話の場合、深夜に電話がかかってくることもあるとか。
逆に暇な日は本当に暇らしく、来客や電話がなければほとんど趣味の時間に使っている日もあるそうです。
B子さんの場合
・年齢は、両方とも30代
・結婚1年目
・住まいはお寺の近くの賃貸住宅
・旦那さんは住職ではない
・旦那さんも一般の仕事をしており、休日などの休みの時だけお寺の手伝い
・専業主婦
時間 | 予定 |
---|---|
6:00 | 起床・朝食の準備 |
7:00 | 朝食 |
8:00 | 洗濯や掃除 |
9:00 〜 11:00 | 境内の掃除の手伝い 帰宅後昼食の準備 |
12:00 | 昼食 |
13:00 〜 16:00 | 仏花・お茶のお稽古 |
17:00 | 帰宅後夕食の準備 |
18:00 | 夕食 |
19:00 〜 22:00 | 次の日の準備 自由時間 |
23:00 | 就寝 |
B子さんの場合は、結婚してまだ日も浅く、それほど深くお寺とはまだ関わっていません。
行事やお寺が忙しい時期なんかに、お寺の方から「ちょっと今日手伝いに来れない?」と言われて、お手伝いにいくことが多いみたいです。
また、ゆくゆくはお寺に住むことになり、がっつりお寺の業務を行っていく予定なので、仏花立ての練習やお茶の練習をお寺に行ったときに教えてもらっているとも言っていました。
それ以外は、世間一般の専業主婦と同じリズムみたいですね。
C子さんの場合
・年齢は、両方とも20代
・結婚3年目
・住まいはお寺とは全く別の賃貸住宅
・旦那さんは住職ではない
・旦那さんも一般企業で働いており、C子さんも一般企業で働いている
時間 | 予定 |
---|---|
6:00 | 起床・朝食の準備 |
7:00 | 朝食 |
8:00 | 出勤 |
9:00 〜 11:00 | 一般企業で通常業務 |
12:00 | 昼食 |
13:00 〜 17:00 | 午後の勤務 |
18:00 | 夕食 |
19:00 〜 22:00 | 研修会に出向き、 仏花・抹茶の練習 |
23:00 | 就寝 |
C子さんの場合は、夫の両親もまだ50代で若く、あと10年はお寺に戻ってこなくても良いと言われています。
そして、2人とも一般企業に勤めています。
なので、普段は一般企業に務める共働きの夫婦と同じようなタイムスケジュールで動いているそうです。
お寺に気軽に帰れる距離には住んでいないため、お寺のお手伝いは、お盆やお彼岸の忙しい時期だったり、夫がお寺へ帰るタイミングに一緒についていき、手伝っています。
普段は仏教とは縁遠い生活を送っているC子さんですが、お花やお茶をお寺の坊守さんに直接習うことができないため、自主的に教室等に通って勉強しているそうです。
まとめ
お寺のお嫁さんといっても、環境や住む場所によって全く生活スタイルが変わってきます。
一概にお坊さんの奥さんの生活スタイルはこれ!となれば楽な話なのですが、考えてみれば環境が違えば生活スタイルも変わってくるのは当たり前ですね。
しかし、僕も友人のお坊さんに聞いて「こんなに違うのか」と驚きました。
最終的にはA子さんの生活のようになるみたいですが、朝の鐘付きがなかったり、役僧(雇われた僧侶)がいたりするとやることは経理やお茶出しのみだったりとお寺によって差が激しいです。
以上お坊さんの奥さんの生活でしたが、少しでも参考になれば嬉しいです。

